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<試乗記>レクサス・HS250h

静かで上質なレクサス初のハイブリッド専用車

 昨年、世界規模の金融危機とともに日本に押し寄せたのがガソリン価格の高騰だった。この頃から俄然、存在感を高めたのがハイブリッド車である。

 当時、モデルチェンジを控えていた2代目プリウスも売れたし、年初にホンダ・インサイト、5月には3代目プリウスが相次いでフルモデルチェンジし、記録的な販売台数を示したのは周知の通り。およそ20年前には想像もつかなかった現象だ。

 そして7月中旬、いよいよレクサスブランドからも初のハイブリッド専用車、HS250hが発売された。プレミアムブランドを標榜するレクサスが作るだけに、その仕上がりに興味が集まるところだ。

 これまでのハイブリッド専用車といえば、モーターとエンジンを組み合わせたパワーユニットや、徹底的に空力性能を追求したボディ形状に代表されるように、どことなく既存のクルマにない先進的なスタイルやイメージを先行させてきた。だが、このHS250hの外見はオーソドックスなもので、3ボックスのいわば正統派セダンのシルエットを持つのが、これまでのハイブリッド専用車とは異なる点といえる。

 レクサス・ブランドだけに、ドアを開ければ上質な空間が広がる。シート表皮には手触りのいい本革を設定したほか、全10パターンの豊富なインテリアカラーが設定されており、オーナーになるためには選ぶ楽しさも用意されている。

 カラーパターンの中には、ブラック&キャメルイエローといった鮮やかなコントラストの配色もあり、ジェントルだがドアを開ければビビットなカラーが目に飛び込んでくる、こうした華やかな面も持ち合わせている。 インテリアでアクセントとなっているのが、アームレストのような高さにせり出しているセンタークラスター。従来車のシフトレバーの位置には、RXで初採用されたリモートタッチが鎮座している。

 さらに、先進装備の一つとしてバージョンLには、ヘッドアップディスプレイが標準装備されており、速度はもちろん、ナビ情報、プリクラッシュセーフティシステムの警告などがフロントガラスに表示される。また、指先がステアリングスイッチのどこに触れているかを表示する、タッチトレーサーディスプレイも兼ねている。視線移動を少なくし、運転中のドライバーに負担をかけない、というのもこのモデルの考え方だ。

 ハイブリッドシステムは、直列4気筒2.4Lエンジンとモーター、リダクションギヤを組み合わせたもので、2.5Lガソリンエンジン車クラスの動力性能を確保しつつ、燃費は10・15モード走行で23・0㎞/hをマーク。

 シフトレバーはプリウスでもおなじみ、指先でも操作できそうな軽快なタッチのエレクトロシフトマチック。レバーを「つまんで」Dレンジへ。走り出してまずおどろかされるのは、静粛性の高さだ。走り出しのモーター走行時は当然だが、とくに駆動がエンジンに替わる時、音だけでなく、エンジン始動時特有の振動もみごとに打ち消されている。

 さらに、ステアリングを操作した時や、コーナーでのクルマの挙動も妙な軽さがなくしっとりとしているのもレクサスらしさか。EV/パワー/エコの三つのドライブモードを使い分けられる。パワーモードを選択しない、通常時は目を見張るようなおどろきの加速はないものの、必要にして十分なレベルだ。

 これまでハイブリッド専用車というと、近未来感や先進感を全面に出しがちだったが、このHS250hはレクサスブランドのキーワードを全面に出している。ハイブリッド専用車も単一モデルから複数モデルへ、個性を選べるようになるハイブリッド車新時代の到来を告げるモデルなのかもしれない。
(編集部)

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掲載日:2009/08/20

この記事のカテゴリ:試乗記