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<試乗記>ルノー・カングー

乗り味が大きく進化した2代目モデル

 ルノーを代表する人気モデルがこのカングー。個性的でかわいいスタイル、機能性に満ちた室内空間、日本の街中でも扱いやすいサイズ、そして価格も200万円台前半という手頃さ。日本市場におけるルノー車の販売台数のうち、約半数がこのカングーというも納得できる。

 さてこのカングーが、このほどモデルチェンジを受け、2代目モデルへと切り替わった。その最大の特徴は、ボディサイズが拡大されたことだろう。特に全幅は旧型に比べて155ミリも拡大され、1800ミリを突破している。全長、全高も拡大されているので全体のスタイルに不自然さはないが、やや安定感の強いどっしりとした印象を受ける。

 しかし室内に入ってみると、意外なまでにボディの大きさを感じさせない。前方、側方ともに視界が広げられたこと、乗車位置が少し高められたことで、先代よりもむしろ死角が少なくなり、車両感覚が掴みやすい。最小回転半径も、先代の5.2mに対して新型では5.1mと小さくなっており、これも取り回しやすさにつながっている。先代ではちょっと使いやすいとは言い難かったインパネ周りの操作系も、再配置されてすっきりまとめられたので、運転のしやすさも格段に向上している。

 一方で、居住空間はサイズの拡大によって、大きく進化している。前席、後席ともゆとりが広がり、のびのびとした快適空間だ。先代では後席3人乗りは少々窮屈だったが、新型ならば不満なく座ることが出来る。シートの座り心地もしなやかさを増し、乗り心地も改善された。これならファミリーユースでも不満はない。後席窓が電動で上下にフル開閉できるようになったのも、うれしいポイントといえるだろう。

 さて、ボディの拡大につい目が向いてしまう新型カングーだが、より大きく進化を感じることが出来るのが走行性能だ。エンジンは1.6Lで先代と変わらず、4ATと5MTが設定されるのも変化はない。したがって動力性能そのものには大きな変化はないのだが、静粛性と足回りの安定性が格段に向上しているので、乗り味は大きく変わっている。

 まず走り出して驚かされるのは、室内の静かさだ。先代カングーは楽しいクルマだったが、走行中のノイズはかなり大きく、お世辞にも静かとはいえないクルマだった。街中のチョイ乗りはともなく、長時間のロングドライブは正直きつかったのが本音だ。しかし、これが新型では一変。低回転域はもちろんのこと、アクセルを大きく踏み込んでも余計な振動やノイズはなく、極めて静かなのである。そのため先代よりも速度を上げての巡航も快適そのもの。高速道路を利用してのロングドライブもこれなら気持ちが良い。

 足回りもまた大きく進化を遂げている。トレッドの拡大で安定感を増したのに加え、サスペンションのセッティングも改良されてバランスが良くなった。かなり粘る足で、路面の細かなショックも巧みに吸収してくれるので、後席乗員にも優しい滑らかな乗り心地だ。

 また特筆できるのはブレーキ性能が大幅に強化されたこと。リヤもディスクとしたのと同時に、ディスクのサイズも前後とも大型化され、荷物満載時でも確実に停まれるブレーキとなった。効き方もペダルの踏み量に応じてリニアに増してくるので安心だ。イザと言う時に頼りになるブレーキである。

 サイズの大型化で、パーソナルユースからファミリーユースへと活躍の幅を広げた新型カングー。トールワゴンやミニバンの購入を考えているユーザーなら、ぜひ検討してもらいたい好モデルだ。人と同じクルマに乗りたくない人、実用性に優れたクルマが欲しい人、どちらも満足できる内容に進化している。
(鞍智誉章)

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掲載日:2009/09/18

この記事のカテゴリ:試乗記