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<試乗記>トヨタ・iQ 130G

新型1.3Lエンジン搭載で実力を大きく向上

 08年11月の発売開始から1年を待たずに、iQに1・3Lエンジン車が追加となった。デビュー早々に購入したユーザーのなかには、チクショーと思っている人もいるかもしれない。

 車両本体価格は「100G」の150万円に対し「130G」は160万円だから、価格差はたったの10万円。タイヤサイズも含め、両者における装備内容の差は一切ないから、単純にエンジン(排気量)の違いが価格差ということになる。本革シートが標準の「レザーパッケージ」もそれぞれ10万円ずつのアップ。しかし「130G・レザーパッケージ」の場合、タイヤサイズが175/65R15から175/60R16にサイズアップするから、おトク度も同時にアップする。

 排気量アップにより自動車税は1ランク上になるので、年間の負担は5000円増える。しかし車重は1・3L車でも1トン未満のままなので、重量税に関しては1L車とイコールコンディションだ。

 今回新たに搭載された1・3L直4エンジンは、ヴィッツをはじめトヨタのコンパクト系が搭載する1・3Lエンジンとは異なる最新型。吸・排気のバルブタイミングを最適制御することで低速トルクの向上と高速域での出力向上を両立すると同時に、低燃費とCO2の排出も減らしたデュアルVVT‐iエンジンである。欧州ヴィッツ(現地名ヤリス)では今年3月から搭載が開始されたそうだから、日本のヴィッツも今後はこのエンジンを搭載することになるだろう。

 最高出力94psは旧型1・3Lに比べ7psのアップ、トルクは12・0kg‐mで、こちらは数値上は0・2kg‐mほどダウン。しかし10・15モード燃費は3km/L増しの23km/Lと、1LのiQと同じだ。

 車重が軽いため1Lでも不満なく走るiQだが、300ccのプラス分は軽量ボディだけによりハッキリと体感できる。シリンダーが1本増えたことで、エンジンの音からも安っぽさが消えた。車内はとりわけ静かというほどではないが、音がうるさすぎてパッセンジャーとの会話が邪魔されるほどではない。全長は3mを切る短さだが、全幅は1680mmと軽自動車に比べれば遥かに余裕なので、運転席と助手席の距離感もイイ感じだ。男二人で乗り合わせても、外から見るほど車内はむさ苦しくない。

 片側1車線の道でもその場でクルッとUターンできるのがiQの専売特許だ。最小回転半径はたったの3・9mなので、4・2mのダイハツ・エッセより小回りが利く。その素早い動きは、遊園地のゴーカートに似ている。ハンドルのわずかな動きにクルマがピピッと反応するので、多少の慣れは必要かと思う。クルマのキャラに似つかわしくないほどハンドルが太いのは、しっかり握らせることでクルマが機敏な動きをしてもドライバーに不安感を抱かせためかもしれない。でも決して運転がこわいクルマではない。なぜなら遊園地のゴーカートだって楽しいでしょ。

 こういうクルマで日本中を旅してまわるときっと楽しいだろう。iQはそんな夢を抱かせてくれる存在だ。そのときは男女ペアか一人旅が似合う。高速道路を延々と突っ走るようなシーンでも、1・3Lならストレスフリーだ。
(猪俣 恭幸)

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掲載日:2009/10/19

この記事のカテゴリ:試乗記