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<試乗記>トヨタ・マークX

自然なフィーリングでドライブが楽しめる実力モデル

 従来の「マークⅡ」から大胆な変貌を遂げてネーミングも一新、より走りの性能を高めた「マークX」として新登場したのが04年。それから5年、マークXは第2世代へとモデルチェンジした。

 上級スポーティセダンという基本的な位置付けには変更はないが、細部に至るまでより熟成されたのが、この新型マークXの大きな特徴といえるだろう。また標準モデルの他、スポーティ感をさらに強めたスポーツグレード「S」、質感を高めた上級グレード「プレミアム」とグレード別に個性もより差別化が図られ、キャラクターが明確になった。

 先代モデルのエンジンは、2.5Lと3Lだったが、新型では2.5Lと3.5Lの組み合わせに変更。2.5Lと3Lでは排気量差が少なく、走りの面でもそれほど大きな差がなかったから、この排気量差の拡大は納得できるところ。2.5Lでも走りに不満を感じることはないが、さすがに+1000㏄の3.5Lともなればパワーにも余裕があり、圧倒的な加速力や長距離走行時のスムーズさでは比較にならない。

 一方2.5Lでは、使用燃料がレギュラーに変更された。環境性能とともに経済性を重視するユーザーが増えているが、その期待に応えた形といえるだろう。実用的な上級セダンとしての本質を追求した2.5L、スポーティセダンならではの走りを追求した3.5Lと明確に分けられたことで、新型マークXはこれまで以上にカバーする領域が大きく広がったことになる。

 さて実際に乗り込んでみて、まず感じられるのがすっきりとした室内空間の質感の高さ。先代では丸形のシフトパネルやナビモニター横に並べられた小さな操作ボタンなど、操作系の配置と室内全体のデザインにややまとまりがないように感じられたが、新型ではオーソドックスな縦基調にまとめられ、操作もしやすくなった。過剰な演出を控え、新鮮さを強調するために行き過ぎてしまったところをうまくまとめ直した印象である。

 シートに座り、いざ発進。アイドリング時の静粛性の高さに驚きつつスタートする。トランスミッションは全車6速ATを搭載するが、エンジンとのマッチングも2.5L、3.5Lとも非常に良く、滑らかでスムーズな加速だ。

 全体としては、クセのなさが好印象。特に2.5L車のバランスの良さが光る。ドライバーの意思に忠実に走り・曲がり・停まる。ステアリング、アクセル、ブレーキのフィーリングも非常に自然で、違和感を感じさせない。大柄なボディだが、それを感じさせず、小気味良く軽快にドライブできる。先代モデルの少し尖っていたところを熟成させ、全体のバランスを巧みに向上させた感じだ。荒れた路面への足回りの追従も良く、後席でも快適に過ごすことが出来る。

 一方3.5L車の乗り味も、タウンスピードの範囲では2.5L車とほぼ同じ。もちろんアクセルを踏み込んだ際のトルクの厚みは感じるものの、パワーの出方がこちらも素直なので、扱いにくさを感じることもない。

 しかし高速域まで速度を上げると、さすがに格の違いを感じるようになる。どこからでも加速するパワー感とそこからくる安心感はやはり大きな魅力だ。

 ただ2.5Lが16インチタイヤを履くのに比べ、3.5Lは18インチを履くためもあってか軽快感は少し損なわれる。また荒れた路面では少し硬さを感じるところもあった。とはいえ、上級セダンとしての範囲からは決して外れることのないレベルでまとめられているので心配は無用。2.5L、3.5Lともに満足できる実力モデルだ。
(鞍智誉章)

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掲載日:2009/12/08

この記事のカテゴリ:試乗記