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<試乗記>キャデラック・CTSスポーツワゴン

ラグジュアリー感の強い新型ワゴン

 キャデラックにステーションワゴンが加わった。といってもワゴン専用モデルではなく、セダンとして販売実績のあるCTSのワゴン版だ。正式名称は「CTSスポーツワゴン」。スポーツというより、むしろラグジュアリーな佇まいが強いので、CTSラグジュアリーワゴンと呼んでもいいくらいだ。

 日本仕様は、3Lエンジン搭載がスタンダード/ラグジュアリー/プレミアムの3グレード、3・6Lがプレミアムの1グレード。両エンジンとも直噴V6で、使用燃料はなんとレギュラーでいいという。キャデラックなのにお高くとまっていないところが好印象だ。車両本体価格は3・0スタンダードの515万円から、3・6プレミアムの666万円まで。さすがに価格はキャデラックらしく、お高い。

 試乗したのは3・0のみ。最高出力273ps、最大トルク30・8kg‐mのスペックは、311ps/38・1kg‐mを発揮する3・6Lと比べても、それほど見劣りはしない。アイドリング時から静かなエンジンは、高回転まで回してもキャデラックらしい品の良さを失わない。1870kgのウエイトはセダンより80kg重いが、急加速を試みてもモッサリ感はない。フットワークは軽快というよりも重厚。シートの硬さといい、ステアリングを切ったときの手応えといい、かなりドイツ車っぽい味つけだなと思った。後輪駆動でLSDも標準なので、その気になればドリフトもできる。

 ワゴンのくせに後方視界は悪い。バックドアはスポーティさを強調するためだと思うがかなり寝かされており、ガラス面積の天地が狭くルームミラーに映る景色が乏しい。そのためか、3・0スタンダード以外のグレードにはバックモニター付きのHDDナビが標準装備されている。

 3サイズは4870×1850×1470mmで、ワゴンだからといってセダンに比べ、全長が長いわけでも背が高いわけでもない。つまりセダンとワゴンはまったく同じ。ちなみに4870mmの全長はクラウンとも同サイズだ。ボディサイズからすれば車内はタイト。しかし、狭いという印象はなく、いい感じの包まれ具合だ。スポーツワゴンを名乗るうえでは、ああなるほどな、と納得させられる、広すぎず狭すぎずの適度な空間といえる。後席もそれは変わらずで、前席ヘッドレストが邪魔で前方視界がやや損なわれているが、居心地は悪くない。シートも乗員を後ろからフワッとやさしく包み込んでくれるような形状をしているので、走っているときの体の落ち着きもよさそうだ。

 バックドアは電動開閉式で、操作はリモコンキー、バックドア、運転席側ドアに備わるスイッチで行える。力任せにバタンと閉めるのはキャデラックらしくない、との判断なのだろう。高さ調整メモリー機能もつくので、たとえば自宅ガレージの屋根があまり高くないような場合では重宝する。ドアを開けた際の後方への張り出しもほとんどない。

 このクルマのターゲットカスタマーは、アクティブな40代の男女だそう。たしかにスーツのオヤジが通勤に使うより、平日の住宅街を奥様がころがしたほうが絵になりそうだ。カジュアルな服で乗っても違和感がないのは、やはりワゴンボディのなせる業だ。
(猪俣 恭幸)

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掲載日:2010/03/02

この記事のカテゴリ:試乗記