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<試乗記>日産・エクストレイル(クリーンディーゼル)

静かでパワフルな最新ディーゼル

 国内SUV市場で断トツの販売台数を誇るエクストレイル。7月に行われたマイナーチェンジでは、クリーンディーゼルエンジンに待望の6ATモデルが追加された。グレード名は6MTと同じ「20GT」。車両本体価格は、6MTより5万2500円高い308万7000円。エクストレイルの全ラインナップの中で、車両本体価格が300を超えるのは、「20GT」だけだ。

 搭載するエンジンは、国内の規制値としては最も厳しい「ポスト新長期規制」をクリアした、正真正銘のクリーンディーゼルである。環境への配慮もバッチリという国からのお墨付きがあるため、購入時における取得税と重量税は全額免除される。つまりタダ。ハイブリッド車と同じ扱いだ。金額にして19万4500円も安くなる。購入翌年度の自動車税も通常の半分で済む。

 10・15モード燃費は、14・2km/Lで、6MTより1km/L悪い。悪いといってはエンジンに失礼で、ガソリン車で最も燃費のいい「20X」のFF車の14・0km/Lを上回る。しかも「20GT」は4WDだ。

 ディーゼルエンジンといえば、特に停止時にブルブルとした特有の振動が伝わってくるものだが、エクストレイルにはこの振動がない。しかしガソリンエンジンとは明らかに異なるカラカラという音は聞こえてくる。でも決して気になるレベルではない。不快な振動がないことで、むしろよくできたディーゼルエンジンだな、と感心するほどだ。

 2リッター4気筒エンジンは、ターボの装着により173ps/36・7kg‐mのパワーとトルク発生。パワーもトルクも、2・5リッターエンジンを搭載する「25X」よりパワフルだ。36・7kg‐mのトルクは、3・5リッターのV6エンジンに匹敵する値と日産は胸を張る。高トルクのおかげで、出だしは特に快適。ストップ&ゴーの連続する都市部では、本領発揮といったところだ。アクセルを踏み込んでいっても、ターボが唐突に顔を出し、急激な加速態勢に移行するようなことはない。ギア比も比較的ハイギアードの設定のようで、エンジンがあっという間に吹けきることなく、息の長い加速を見せる。パドルシフトは付かないが、シフトレバーを前後にコキコキ動かすシーケンシャルモードは備わるので、自らの意思でシフトチェンジを楽しみながら走ることも可能だ。

 エンジンとはまったく関係ないが、シートの座り心地がすごくよかったのには驚いた。クッションに十分な厚みがあるので、座った瞬間、体重を吸収するためにシートが程よく沈み込む。助手席に乗ったカメラマンも、シートのできのよさを絶賛していた。

 快適なシートに身を預ければ、長距離ドライブに出かけたくなる。クリーンディーゼルによる好燃費のため、頻繁に給油する必要もない。さすがエクストレイルで唯一、GTを名乗るだけのことはある。
(猪俣 恭幸)

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掲載日:2010/10/19

この記事のカテゴリ:試乗記