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<試乗記>VW・ティグアン

7速DSGが心地よい

 VWのコンパクトSUV「ティグアン」の日本デビューは08年9月。09年1月に一部改良したのに続き、この9月には2度目の改良を行った。今回の改良の目玉は、トランスミッションを従来の6速ATから7速湿式DSGに変更したこと。VW第三のDSGとして開発された湿式DSGは、商用車を含む重量級車両や大トルクモデルへの搭載を目的で、許容トルクは600Nm(61・1kg‐m)、許容出力は275kW(373ps)、車両総重量3・2トンまでと、かなりタフなトランスミッション。10・15モード燃費は11・6km/Lと、6速ATに比べ20%も改善した。

 今回の改良で「Rライン」は装備を見直す(要するに削る)ことで価格を大幅に引き下げた。車両価格は421万円。それでもまだ十分に高いって? とお思いの方にオススメしたいのが、新グレードの「ライストン」。韓国にレクストンというSUVがあったが、SUVに~トンというネーミングは定番なのか、それとも単なる偶然か。ちなみにライストン(Leistung)とは、「性能」や「効率」を意味するドイツ語。

 ライストンは特別仕様車としての扱いだが、ティグアンのカタログにはRラインと一緒に掲載されているので、日本の特別仕様車のように、ペラペラのカタログに別刷りされた期間限定モデルとは扱いが異なる。あくまでも、「装備を充実させ、なおかつ価格を抑えた、特別な仕様ですよ」ということなのだろう。で気になる価格は、Rラインより36万円安い385万円。2リッター直4ターボエンジンに7速DSG、4モーションという名の4WDを搭載する点が同じことを考えれば、特別仕様車を名乗るにふさわしい内容といえる。試乗したのはそのライストンで、Rラインとの大きな違いは足。Rラインが19インチの40タイヤを履くのに対し、ライストンは17インチの55に変わる。

 試乗会は走り屋の聖地、箱根ターンパイク。飛ばすことが義務づけられたようなものだ。ボディは鎧を着ているような剛性の高さで、走り出せばすぐにわかる。締まりのあるサスペンションはさすがドイツ車だ。決してソフトなセッティングではないが、かといって硬いというほど乗り心地を犠牲にしていない。ターンパイクのような高速コーナーが連続する山道を走る際もドライバーに不安を抱かせず、なおかつ乗員に不快な乗り心地を与えない絶妙の味付けに仕上がっている。170psを誇る2リッター直4ターボエンジンは、どこからターボが効いたのかわからないほど加速がスムーズで気持ちいい。

 いいサスにいいエンジンをのティグアン・ライストンだが、走っていて存在感の高さを感じさせるのは、やはり7速DSGのトランスミッションだ。シフトアップもダウンはとてもスムーズで、変速ショックは皆無。マニュアルモードでシフトダウンすると「ブォン」と空ぶかしを入れた後、素早く下のギヤに落ちる。シフトダウンを多用する下りのほうが、7速DSGの楽しさを存分に満喫できた。

 大きさは手頃でサイズはトヨタRAV4とほとんど変わらず、街中での取り回しに苦労することはなさそうだ。後席の居住性と荷室容量もしっかり確保されているので、ファミリカーにはもってこいだ。

(猪俣 恭幸)

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掲載日:2010/10/19

この記事のカテゴリ:試乗記