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<試乗記>VW・ポロGTI

GTIの名にふさわしい鋭い走り

 VWポロにスポーツモデルの「GTI」がラインナップに加わった。日本仕様は右ハンドルの4ドア(VWの場合、バックドアは枚数に数えない)のみだが、本国ドイツには2ドア版も用意される。

 全長3995mm、全幅1685mm、全高1460mmのコンパクトなサイズ。全幅は1700mm以下に収まるので、5ナンバー登録となる。サイズは小さいが、ひと目でGTIとわかる外観をしている。フロントグリルは伝統のハニカム形状で、上下にはGTIの証である赤いラインが走る。グリルにはしっかりGTIのエンブレムも装着される。バンパー、サイドスカート、リヤスポイラーもすべてGTI専用だ。リヤバンパーの下から顔を覗かせるエキゾーストパイプは2本出しとなる。17インチアルミホイールも専用デザインで、アルミの奥には赤いブレーキキャリパーがちらりと見える。

 インテリアもGTI色が濃厚。伝統のチェック柄シートをはじめ、本革巻きのステアリングホイール、シフトブーツ、サイドブレーキレバーには赤いステッチが入る。メーターもやはりGTI専用で、速度計のマックスは280km/h。ちなみにメーカー公表の最高速は225km/h。この手のクルマには、速さをイメージさせる演出も重要ということなのだろう。

 エンジンは1.4リッター4気筒のツインチャージャー。ツインチャージャーとは、スーパーチャージャーとターボチャージャー2つの過給機を備えたVW自慢のスポーツエンジン。最高出力179psは、1・8リッターターボの先代ポロGTIより29psもパワーアップ。それでいて10・15モード燃費は16・6km/Lと26%も向上したのだから立派だ。自動税もワンランク下になるなど特典は多い。

 コンパクトサイズの4ドアということもあってそれほど過激な印象はないが、乗り込むと見た目以上にスポーティ度は高い。着座位置の低いシートはサイドの張り出しが大きく、ただのコンパクトカーでないことは座るだけで十分に伝わる。ハンドルの形状もやる気満々だ。ちょっとやりすぎじゃないのと思ったが、エンジンをかけ勇ましい排気音を聞いたら、これも演出の一環であることが理解できた。

 最新のポロGTIはオートマ免許でも運転できる、2ペダルMTのDSGを搭載。しかもポロ初の7速仕様。Dレンジでは普通の走りだが、Sに変えるとまるで人が変わったように、荒々しい走りが味わえる。Dの位置からシフトレバーを左に傾けるとマニュアルモードになる。変速はレバーを前後に動かすだけでなく、ハンドル裏のパドルでも可能。試乗前の事前説明で、ポロ初のパドルシフトが搭載されていると聞いていたにもかかわらず、試乗中はすっかり忘れてしまった。言い訳としては、パドルが小さく存在に気付かなかったためだ。

 GTIの名にふさわしく、走りは一級品。1・4リッターとは思えぬほど加速は鋭く、コーナリング性能も驚くほど高い。それでいて乗り心地はさほど悪くない。試乗ステージの箱根ターンパイクでは、まるでレースの予選アタックのような走りをすることができ、とにかく楽しかった。見た目はコンパクトカーでも、走りは見事にスポーツカーだ。

(猪俣 恭幸)

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掲載日:2010/10/19

この記事のカテゴリ:試乗記