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<試乗記>三菱・ミラージュ

燃費だけでなく走りの良さも魅力

 最初画像で見たときは、正直「安っぽい」と思ったが、実際目にしたミラージュは、そうでもなかった。1665mmの全幅は5ナンバー枠の上限までかなり余裕があり、多くのコンパクトカーよりも車幅はひと回り狭いことになるが、特に小さい印象は与えない。全高は空気抵抗を抑えるためか、1500mmをわずかに切る1490mm。

 上級の「G」と中間の「M」には、ルーフスポイラーが標準装備される。これが意外と大きく、しかも垂れ下がったようなデザイン。真っすぐ後ろに延ばせばキリッとスポーティに見えるはずだが、ミラージュのリアスポは演出効果のためではなく、燃費向上効果を狙ったものという。このリアスポを始め各種空力パーツの装着により、「G」と「M」は廉価な「E」より車重が10kg重い870kg(それでも軽い)にもかかわらず、アイドリングストップの装備でJC08モードは27・2km/L。ちなみにこの数値は、いまのところ登録車ナンバーワンである。

 コンパクトカーもいまや一家に一台の主役である。となると後席の居住性も大いに気になるところ。ミラージュはボディのウエストラインが高いので解放感はないが、広さそのものは問題ない。ただし前席のヘッドレストが大きいため、後席に座ると前方視界は期待できない。後席に座ったままの長距離ドライブはちょっと辛いかもしれない。

 へたな軽自動車より車重が軽いため、排気量1リッターでも非力さを感じることはない。シンプルな見た目からは想像できないほど、高い走りの実力を備えているというのが率直な感想。コンパクトだが軽との差は歴然とあるので、これなら高速道路を使っての遠距離ドライブも大丈夫そうだ。アクセルを踏み込んでもエンジンはゼーゼー言わず、3気筒であることもほとんど意識させない。

 アイドリングストップはせっせと仕事をこなすタイプで、信号待ちでは必ずといっていいほどエンジンが止まる。夏場はちょっと暑いが、燃費のためなら我慢できる範囲だ。またメーターはアクセルの踏み加減に応じて、グリーンのエコランプが3段階で表示する仕組み。これが見やすくてわかりやすい。アクセルを踏みすぎると赤いランプが点灯。なんだかクルマに注意されているような気になる。

 なお速度計の最高速はなんと200㎞/hまで刻まれている。リッターカーで200km/hは出ないと思うが、クルマ好きにささやかな夢を与える効果はあるだろう。クルマ好きの端くれである私には、とても好印象に映った。

 今回のミラージュ復活の陰で、コルトが姿を消す。コルトユーザーからすれば、ミラージュは全体の質感という点では少し物足りなく感じられるかもしれない。一方、eKワゴンなどの軽からの乗り換え組には、価格、燃費、走りの質感とどれを取っても満足できるレベルにある。

(猪俣恭幸)

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掲載日:2012/09/11

この記事のカテゴリ:試乗記